
リサーチ
リコピン摂取とその摂取濃度が発育期雌ラットおよび骨粗鬆症モデルラットの骨代謝 に及ぼす影響とその違い」について
先行研究1「リコピン摂取と走行運動が発育期雄ラットの骨代謝に及ぼす影響」において、リコピン摂取群でリコピンが血清および肝臓、骨格筋から検出された。リコピン摂取の骨への影響の検討では、腰椎および脛骨骨密度においてリコピン摂取群が非摂取群に比べ高値傾向を示し、脛骨骨塩量および大腿骨骨破断エネルギーはリコピン摂取群が有意に高値を示しリコピン摂取の効果が見られた。骨代謝マーカーを用いた検討では、骨形成マーカーにおいてリコピン摂取の効果は見られなかったが、
骨吸収マーカーは有意にリコピン摂取により低下し、骨吸収抑制効果が見られた。また、酸化ストレスに対する効果の検討では、有意にリコピ ン摂取による酸化ストレス減少効果が見られた。
一方、先行研究2「リコピン摂取と走行運動が骨粗鬆症モデルラット(卵巣摘出低カルシウム食飼育ラット(雌))の骨代謝に及ぼす影響」においては、リコピン摂取群でリコピンが肝臓から検出されたが、前述の先行研究1におけるリコピン摂取量とほぼ同量であるにもかかわらずその検出量はその10分の1以下であり、血清では検出限界以下であった。リコピン摂取の骨への影響の検討では、腰椎および脛骨の骨塩量、骨密度に対するリコピン摂取による効果は見られず、大腿骨骨破断エネルギーにおいてのみリコピン摂取群が高値傾向を示し、リコピン摂取の効果が見られた。骨代謝マーカーを用いた検討では、先行研究1と同様に、骨形成マーカーに効果は見られなかったが、骨吸収マーカーは有意に低下し、リコピン摂取による骨吸収抑制効果が見られた。また、酸化ストレスに対する効果の検討では、有意にリコピン摂取による酸化ストレス減少効果が見られた。先行研究1、2を比較すると、1では6週齢Wister系雄ラットを用い、2では6週齢SD系雌ラットを用い骨粗鬆症モデルラットとするためにOVX (卵巣摘出)を施し飼料中カルシウム、リンの濃度を先行研究1の半分にしている違いはあるものの、ほぼ同量のリコピン摂取量、飼育条件であるにもかかわらず、リコピンの肝臓蓄積量および血清中濃度に大きな差があり、また、骨代謝マーカーや酸化ストレスに対する影響に関してはほぼ同様の結果が得られたが、骨塩量、骨密度への効果に関しては先行研究1では見られた効果が先行研究2では見られなかった。これらの違いは、リコピンの吸収または体内での動態および利用の違いによるものであると考えられるが、それがラットの違い(雌雄、種類)によるものであるのか、OVXの影響によるものであるのか検討する必要がある。また、OVXラットに限定していえば、吸収量の減少や利用量の増加があるのだとすれば、リコピンの摂取量の検討が必要である。そこで、6週齢SD系雌ラットを用い、ラットをOVX群と非OVX(sham)群の2群に分け、さらにリコピン添加食中のリコピン濃度が異なる4種類の飼料を用い計8群とし、先 行研究と同様の飼育、分析を行い、以上の要因の検討を行う必要があると考える。
