リサーチ

高度PIN(HGPIN)の処置における化学的予防物質としてのリコピン
N.K.Mohanty 博士
泌尿器科学科、V.M.メディカル・カレッジ&Safdarjang 病院、ニューデリー、インド


序文
前立腺上皮内高度腫瘍形成(HGPIN)は前立腺癌の前癌症の状態である。
BPH患者におけるHGPINの発生率は増加している。
前立腺癌が化学的予防治療の最善のモデルであるのは、次に述べる理由からである。
 生長の遅い癌
 長い潜伏期
 高い発病率
リコピンは前立腺癌の生長の減少の可能性ばかりでなく危険度を減少させる。
血清リコピンと血清PSAの間に逆相関関係がある。


目的
リコピンの補給によってHGPINが卵形の前立腺癌になるのを防ぐこと


我々の調査
開いたラベルの無作為の調査
期間:1999年1月から2003年12月
患者数:40
疾患:高度PIN(第II度と第III度)
2つのグループA, Bに無作為に分けられる
追跡調査期間:2年


材料と方法
組織学的にHGPIN(第II度と第III度)であると証明された40人の患者は、正常値の血清PSAと血清リコピン推定値を持っていた。
2つのグループAとBに無作為に分けられた
グループA:HGPINの20人の患者は、ライコマートのサプリメントのリコピン4mgを毎日1年間投与され、もう1年間追跡された
グループB:HGPINの20人の患者は2年間定期的に追跡調査された
追跡調査:両方のグループは2年間血清リコピン、血清PSA、DRE検査について追跡され、前立腺の生体組織検査は2年目に3ヶ月毎に追跡調査された
正常の血清PSA:0-4ng/ml
正常の血清リコピン:300ng/dL
本態性高血圧症(HT)は、先進国における最も一般的な健康問題の一つである。本態性高血圧症の発達の正確で、根本的な病態生理学的メカニズムははっきりしていないけれども、それは心血管の病的状態と死に対する決定的な危険因子である。1 HTの発生病理における酸化ストレスの役割は、動物モデルとヒトに基づいている研究の両方によって示唆された。2 酸化ストレスは酸化窒素を不活性化することが出来るので、内皮依存の血管拡張を弱める。更に、低比重リポタンパクコレステロール(LDL-C)の酸化は、粥状硬化症の病理発生を促進し、それが心疾患罹患のもう一つの重要な危険因子である。
 現在の国際的ガイドラインは、体重管理、食塩摂取の減少、アルコール消費の減少、そして多分初期のHTを予防し、治療する栄養学的の取り組み方としてカリウムの増加を推奨している。観察研究で、血圧(BP)と繊維、マグネシウム、カリウム、カルシウム、タンパク質に富んだ菜食料理との有意の相関関係が報告されている。3
 一般的に、食餌の食品添加物の使用がここ数年人気を増してきた。いろいろな研究は、天然の抗酸化ビタミンが血管の働きを改善する力を証明した。トマト(Lycopersicon esculentum)は、トマト製品と共にα−トコフェロールとカロチノイド β−カロチン、フィトエン、フィトフルエンのような抗酸化物質の重要な食物源である。トマトは又、カロチノイドの中で最も強力な生体外での抗酸化物質であるリコピンの主要な食物源である。4 トマトジュースの消費は、血漿リコピンの有意の上昇と2型の糖尿病を持っている被験者において酸化に対するLDLの抵抗の増加を引き起こした。5  食餌による果物と野菜の補足は、血漿ビタミンの抗酸化レベルの上昇とBP値の減少と関連していた。6 Galley等7 は、抗酸化ビタミンの補足の後、収縮期血圧(SBP)の有意の減少と血清のβ−カロチン、α−トコフェロールと尿の亜硝酸塩のレベルの上昇を証明した。しかし、抗酸化物質の補足がBPに及ぼす影響についてのデータは不十分であり、特に第1度HT患者に関して不十分である。
 我々の第一の仮説は、天然の抗酸化物質に富んでいるトマト抽出物を含んでいるカプセルで処置すると、第1度HT患者のBP値の減少を生じさせるだろ うという事であった。単純盲検、プラセボ−対照試験は、天然の抗酸化カロチ ノイドとビタミンに富んでいるトマト抽出物であるライコマートによる8週間の処置に対してBP、酸化ストレス、LDL酸化における変化を評価する試験研究として計画された。


結果

血清PSA
 グループAでは↓
 グループBでは↑

血清リコピン
 グループAでは↑
 グループBでは↓

DRE検査
 グループA 2人の患者(10%)が堅い小結節を持っていた
 グループB 6人の患者(30%)が堅い小結節を持っていた

前立腺の生体組織検査
 グループA 2人の患者(10%)に前立腺癌
 グループB 6人の患者(30%)に前立腺癌

血清PSAと血清リコピン
   グループA グループB
治療前 治療後 治療前 治療後
平均のPSA 6.07ng/ml 3.5ng/ml 6.55ng/ml 8.06ng/ml
平均の血清リコピン 360ng/ml 680ng/ml 378ng/ml 180ng/ml

DREと前立腺の生体組織検査
グループ 異常なDRE 前立腺の生体組織検査
A 2/20 2-腺癌 10%
B 6/20 6-腺癌 378ng/ml

【副作用は少しも認められなかった】


結論
トマト、スイカ、ピンクグレープ、グアバにある野菜のカロチノイドであるリコピンは、HGPINが卵形の前立腺癌になるのを防ぐために優れた耐性、安全で非常に効果的な化学的予防物質である。そして、より大規模な臨床試験がその抗癌可能性を立証し、効果的な化学的予防物質であると保証されている。